営業DXのROIを高めるVizlabo流アプローチ:可視化・追跡・改善

営業DXのROIを高めるVizlabo流アプローチ:可視化・追跡・改善

BtoBMarketing営業DX

営業活動のデジタルトランスフォーメーション(以下、営業DX)が企業に求められて久しくなりました。
ただツールを入れたから終わりではなく、実際に**投資対効果(ROI:Return On Investment)**を高めるためには、可視化・追跡・改善のサイクルを回すことが欠かせません。
本記事では、バーチャル展示会サービスを手掛ける私たち Vizlabo の観点から、営業DXでROIを最大化するためのアプローチを、「可視化」「追跡」「改善」の3つのフェーズに分けて整理します。


はじめに:なぜ「営業DX × ROI」が重要か?

営業部門では、従来「訪問」「商談」「提案」「受注」というプロセスが中心でした。
しかし、近年は

  • 顧客がWebで情報収集→非対面で商談スタート
  • 複数チャネル(オンライン/オフライン)による接点が一般化
  • 製造業などB2B領域でも、デジタル展示、Web商談、資料ダウンロードといったプロセスが増加

といった変化が起きており、営業活動そのものが「見えにくく」「遅く」「断片的」になりがちです。
この流れに対応して 営業DX を進めることで、活動の可視性を高め、効率化・精度向上・収益化につなげることが可能です。実際に、営業DXの取り組みで「商談数30%増」「営業コスト20%削減」といった成果が出ている事例も報告されています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

しかしながら、多くの企業で営業DXが「形だけ」「ツールを入れただけ」で終わってしまい、ROIが出ないという声も少なくありません。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
そこで、Vizlaboでは「可視化 → 追跡 → 改善」という明確なプロセスを設計し、営業DXの成果を確実に引き出すアプローチを取っています。


1. 可視化フェーズ:まずは「見える化」からスタート

1-1 現状把握のための可視化

営業DXを成功させるためにまず必要なのは、現状の営業プロセス/活動がどうなっているかを可視化することです。
可視化なくして改善も追跡もできません。具体的には、以下のような取り組みを行います。

  • 商談発生から受注までのプロセスフローを図解化
  • 商談数・案件化率・提案数・受注率などの定量データを営業チームごと/製品別/期間別に整理
  • CRM/SFA/名刺管理/展示会・Web参加ログなど、営業接点データを整理して「どこにボトルネックがあるか」を明らかに
  • 可視化されたデータを営業部門と経営層で共有し、共通認識を持つ

この「見える化(モニタリング基盤づくり)」は、ツール導入前でも十分に始められます。たとえば Excel・スプレッドシート+既存CRMデータでも改善のための出発点になります。効率化・デジタル化が未成熟な環境こそ、可視化フェーズを丁寧に設計することが重要です。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

1-2 Vizlabo流:展示会/Web体験と営業接点を結びつける

Vizlaboのサービス設計では、展示会・バーチャル展示・Web参加という「営業接点の入口」を創出します。
この入口を 営業DXの一部として捉え、可視化対象に含めることで、以下のような可視化が可能になります。

  • Web展示体験数、滞在時間、回遊パス、クリックポイントなどの行動データ
  • 展示会来場者/Web来場者からの商談化率
  • 展示ブース/Webページから営業商談登録までのリードタイム
  • 営業活動(訪問・提案)前後の行動と展示データの対応付け

こうした可視化により、「展示会で●人来場した」「Webページで○件クリックされた」という定性的な情報だけでなく、「どのように動いた人が商談につながったか」が明らかになります。
この“入口可視化”は、営業DXにおける基盤強化とROI向上の第一歩です。


2. 追跡フェーズ:営業プロセスを“線”で捉え、動きを追う

2-1 リードから受注までの追跡

可視化でデータを整理したら、次はそのリードが どのように商談化・受注化していったかを追跡します。
ただ「受注した/しなかった」だけで止まっていては、次の改善にはつながりません。

追跡すべきポイント例:

  • 展示会/Web体験→リード登録→商談化という流れで、各フェーズの通過率を算出
  • 提案から受注までの日数、営業担当者ごとのバラつき、案件の特徴
  • 商談失注の原因(価格・競合・仕様・タイミングなど)を営業担当者のヒアリング+データで整理
  • 営業活動前後の顧客接点(Webログ、メール開封率、訪問回数など)をクロス集計

これにより、「どの入口(展示/Web/紹介)が商談化率・受注率が高いか」「どのプロセスでロスしているか」「どの営業活動が結果につながっているか」が見えてきます。
営業DX成功企業も、こうした追跡プロセスを重視しており、KPI設計・測定可能な目標設定がROI向上の鍵だとしています。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

2-2 Vizlabo流:動線データ×営業データの統合

Vizlaboでは、展示会・Web体験データを 営業プロセスの一部として捉え、営業データと統合して追跡を行います。
例えば:

  • Web体験ユーザーがどの製品ブースを回ったか、それに対応する営業資料や訪問履歴があるかをリンク
  • 展示会来場者に対して、アフターフォロー訪問のタイミング・提案内容・受注率をトラッキング
  • 営業担当者別・製品別・来場手法別(Web/展示会)で、商談化率・受注率・リードタイムを比較

このように、「入口 → 営業活動 → 受注/継続」という一連の流れを追跡可能な形にすることで、ROI算定の前提となる“成果可視化”が実現できます。


3. 改善フェーズ:PDCAを回して「投資対効果」を最大化する

3-1 KPI設計とROI算出

追跡により可視化されたデータをもとに、改善のための KPI設定とROI算定を行います。
具体的な階層としては以下があります:

  • 入力KPI:展示会来場数・Web体験数・資料ダウンロード数など
  • 中間KPI:リード→商談化率、提案回数、商談から受注までのリードタイム
  • 成果KPI:受注率、平均契約金額、営業コスト、顧客維持率/アップセル率

たとえば、「Web展示体験100 件 → 商談化10 件(10%)→受注2 件(20%)」という流れであれば、

  • Web体験1件あたりの営業コスト・展示コストを割り出し、
  • 受注1件あたりの粗利/利益を算定した上で、
  • 投資額に対して得られた利益からROIを逆算する、という手法です。
    営業DXにおいては、「人件費・ツール導入費・展示会費用」などをコストとして捉え、成果側の数値と比較することが重要です。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

3-2 改善サイクルの実践

KPI・ROIを定めたら、改善サイクル(PDCA)を設計します。たとえば:

  1. Plan(計画):どの入口を強化するか?どの営業活動を対応付けるか?
  2. Do(実行):展示会/Web施策を展開し、営業フォローを実施。
  3. Check(確認):リード数→商談化→受注というプロセスを追跡し、KPIと実績を比較。
  4. Act(改善):商談化率が低ければWeb体験の質を改善、受注率が低ければ営業訪問内容を改定、という具合です。

重要なのは「ツールを入れたら終わり」ではなく、継続的にKPIを追い、改善を重ねる文化を醸成すること。営業DX成功企業は、このようなデータドリブンな改善プロセスを確立しており、ROIを高めるためには必須だとされています。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

3-3 Vizlabo流:改善を“営業体験”にフィードバック

Vizlaboでは、可視化・追跡されたデータを営業体験設計に反映させていきます。具体的には:

  • 展示会/Web体験のどの動線・コンテンツが商談化率を高めていたかを分析し、次回展示の設計に活かす
  • 営業担当者別の受注率・提案内容を比較し、「強いストーリー/資料」をテンプレート化して全社で共有
  • 追跡データから「この展示→この営業アプローチ」が高成果だったというパターンを特定し、営業活動フローに組み込む
  • KPI・ROIを営業部門・経営層と定期共有し、次期投資判断に向けた明確なインプットを提供

こうした「入口体験 → 営業活動 → 改善フィードバック」の設計により、営業DX投資の成果を“場づくりから営業本番、そして次回改善”まで繋げることができます。


4. 成功に導く3つの原則:Vizlabo流の考え方

原則① 入口(展示/Web体験)を“営業接点”と捉える

多くのB2B製造業では、展示会やオンラインイベントが“集客”フェーズで止まってしまいがちです。しかし、Vizlabo流では 展示会やWeb体験を営業DXの起点と捉え、営業活動と紐づけることを重視しています。
この意識転換により、可視化・追跡の動線が明確になり、営業活動の改善が可能になります。

原則② 営業データを“プロセス指標”で捉える

営業DXでROIを高めるためには、営業活動を「プロセス(入口→商談→受注)」という線の流れで捉えることが重要です。
「訪問数」や「提案数」といった数値だけでなく、「提案から受注までの日数」「展示会参加から商談化までの期間」「Web体験→資料DL→訪問の流れ」など、細かく追えるプロセス指標を設計します。
この考え方なくして、改善サイクルもリソース配分の最適化も進みません。

原則③ 改善を“習慣化された学習”に変える

ツール導入・展示会実施だけで終わってしまうと、営業DXは成果につながりません。重要なのは、「可視化→追跡→改善」のサイクルを回し続けること
そのために、営業部門・マーケ部門・経営層を巻き込んだ定例レビュー、データ共有、成功パターンの展開、現場ヒアリングといった学習の場を設けます。
この学習文化が、ROIを高める組織力・習慣力を生み出します。


5. よくある壁と対応策

営業DXで投資対効果を引き出すにあたって、次のような“壁”がしばしば出てきます。ここではそれぞれの対応策を紹介します。

壁① ツールだけ導入して定着しない

ただSFA/CRMを入れただけで営業DXが進まないというケースは多くあります。「使われない」「入力が面倒」「営業活動が見える化されない」という課題です。:contentReference[oaicite:7]{index=7}

対応策

  • 現場目線で使いやすいUI・操作設計を検討する。
  • 営業担当者のKPI・報奨制度設計にしっかり連動させる。
  • 小さく始めて成功体験を作る(パイロット→全社展開):contentReference[oaicite:8]{index=8}
  • 定例レビューで「何が使われていないか」「何が入力されていないか」を可視化し改善する。

壁② データがバラバラで連携できない

展示会データ・Webログ・営業訪問データ・受注データといった接点が、部門ごと/ツールごとに分断されていると、追跡・改善サイクルが回りませんです。:contentReference[oaicite:9]{index=9}

対応策

  • データの一元化・連携設計を早期に検討する。
  • 明確なデータ責任者(CDOやデジタル推進部門)を設ける。
  • 部門横断でデータ活用目的を共有し、「このデータが次の商談にどう使われるか」を明示する。

壁③ 定量評価ができずROIが曖昧

「ツールを入れたら成果が出るだろう」という期待だけでは、経営層を説得できません。ROIが曖昧では、次の投資につながりません。:contentReference[oaicite:10]{index=10}

対応策

  • 投資前にKPIと目標を明確に定め、定量的な目標値を設定する。
  • 営業DX導入前と後で比較可能なベンチマーク値を確保する。
  • 成果KPIばかりでなく、中間プロセスKPIも策定し、改善がどこから来ているかを把握する。

6. 今から始めるVizlabo流営業DXロードマップ

最後に、Vizlaboが提案する営業DXロードマップを簡単にご紹介します。これを自社の状況に合わせてカスタマイズすると実践しやすくなります。

フェーズ アクション 成果KPI例
フェーズ 1:入口可視化 展示会・Web体験の行動ログ取得・CRM連携開始 体験数、クリック数、来場から商談化率
フェーズ 2:営業プロセス追跡 リード→商談→受注のプロセス構築・SFA/CRM運用定着 商談化率、提案数、リードタイム
フェーズ 3:改善設計 成果KPIから改善施策立案・PDCA運用開始 受注率、平均契約額、営業コスト削減率
フェーズ 4:スケーリング&定着 成功パターンを展開・社内教育・レビュー制度整備 営業生産性、顧客維持率、アップセル率

このロードマップに沿って、営業DXを 段階的かつ戦略的 に進めることで、ROIを最大化することが可能です。


7. まとめ:営業DXは“可視化・追跡・改善”でROIを生む

  • 営業DXは単なるツール導入ではなく、営業活動そのものを可視化し、追跡可能にし、改善を重ねる文化をつくることが鍵です。
  • ROIを高めるためには、「入口→営業活動→受注」という流れを明確にし、指標を設計し、データを連携し、改善サイクルを回すことが必須です。
  • Vizlaboでは、展示会/Web体験という“入口”を営業接点として捉え、営業プロセス全体と統合するアプローチを取ることで、営業DXの成果を最大化しています。
  • 営業DXの壁を乗り越えるためには、ツールだけでなく「人」「プロセス」「組織文化」の変革も必要です。
  • 今後も営業DXを進める企業にとって、可視化・追跡・改善という三段階を意識して設計・実行することが、成果実現への近道となるでしょう。

営業DXの取り組みを始める際には、まず現状を“可視化”するところから。次に、営業活動を“追跡”してプロセス全体を理解し、最後に改善へとつなげる。
このサイクルをきちんと回すことで、営業DX投資のROIは確実に高まります。
Vizlabo流のアプローチが、皆さまの営業変革の一助となれば幸いです。